宇和島麦みそが味噌と名乗れなくなる問題について【ニュース拾い読み】

ABEMAプライムで取り上げられていた問題です。

こちらはニュース記事から。

新聞でも取り上げられています。

 愛媛の食卓でなじみ深い伝統食材の「麦みそ」について、県が一部の製造業者に対し「麦みそ」の表示を変更するよう求めていることが29日までに分かった。原材料に大豆を含まない製品は法の規定で「麦みそ」と表示できないことが理由。長年麦みそを造り続けてきた製造業者からは困惑の声が上がり、表示を続けられるよう県に要望書を出すなどして働きかけている。

農水省が決めた食品表示法に従って
宇和島保健所が検査、指摘をして、
行政処分をちらつかせているという
ことのようです。

そもそも「麦みそ」の食品表示法の定義が
大麦や裸麦のほかに大豆と指定されていて、
該当の井伊商店の「麦みそ」には
大豆が含まれていない「麦100%」の
商品であるために、このような問題が
勃発したとか。

一般的な「麦みそ」の製法は
大豆を原料としているため
(ABEMAプライムでは99%が
大豆を含み、問題の井伊商店の商品は
きわめて珍しいと指摘していました)
このような事態になったと思われます。

保健所の職員は、製造過程で
1粒でも大豆が入っていれば
いいからと妥協案を提示した
とのことですが、三代にわたって
味と製法を受け継いできた
井伊商店としては受け入れがたく、
いまは途方に暮れているそうです。

大豆を入れない麦みそは貴重で、
大豆アレルギーの人の救済素材
でもあるとのこと。

そういう意味でも井伊商店では
妥協して大豆を入れることは
したくないと語られていました。

日本ならではの発酵食材である味噌。

国策として保護していくならまだしも、
こうした圧力をかけて伝統製法を
潰そうとするのは矛盾しているとしか
いいようがありませんね。

食品表示法自体は「まがい物排除」を
目的として施行されているので、
こうした本文に則った「〜風」の
食品を規制していくことに
異論はありません。

ただ、この麦みそ問題、
制定時の認識が及ばなかったこと、
製造者と話し合いの姿勢が見えないこと、
などが問題だと思います。

商品自体に問題がないのであれば、
食品表示法の例外規定を早急に制定、
適応猶予期間を経て保護措置を執る、
という政治的な決断があっていいかと
思います。


投稿者: tori_ichi