霜降り信仰のリスク顕在化で自然派の選択肢も増えるマーケットに期待【ニュース拾い読み】


「和牛といえば霜降り肉」。1991年の牛肉輸入自由化以来、外国産に対抗するため進めてきた高級路線が転換期を迎えている。脂の入りやすい種牛に人気が偏り、近親交配が進んだためだ。赤身肉を好む消費者の増加など市場構造も変わりつつある。世界に広く知られた「WAGYU」ブランドは持続可能な将来像の模索を迫られている。

記事では、現場の“事故”の記述が続いています。

“事故”というのは、流産や子牛の発育不良のこと。例としてブランド牛として知られる但馬牛(つまり神戸ビーフ)が挙げられ、発生率が上昇傾向にあるために不安が広がっているそうです。

具体的な数値として、兵庫県農業共済組合のデータでは2017年時点での“事故”の割合が5.2%で、30年間に1.8ポイントの上昇が見られました。原因として考えられているのが「遺伝子の均一化」。

この背景には、優良なサシ(網目状の脂肪)が入った肉質を保つために、近親配合することが指摘されています。また、ブランドを保つために「他県の牛と交配させない」という制約も、この問題を加速させているようです。

この問題は、“事故”だけにとどまらず、遺伝子の均一化のために完成小に対応できない可能性という心配も浮かび上がっています。

兵庫県では、この問題に対応するために、評価指標にオレイン酸などの導入といったサシ以外の“付加価値”で、ブランドを守りながら商品価値を保っていく施策を打ち出しているもよう。

赤身肉や熟成肉のブームも、こうしたリスクを低減させるファクターになり得るかもしれません。

私が“グラスフェッドビーフ”を知ったのは、もう30年ぐらい前のことでしょうか。

当時は一部のマニアが探して購入するものといったレアなオプションでした。

そろそろ、“正しい牛肉”という考えが、大勢を占めるほどでなくても、あたりまえの選択肢のなかに入ってきてもいいのかなと思ったニュースでした。

投稿者: tori_ichi