久々にいただいた純米酒の酔い心地に思う酒蔵の未来

 

久しぶりに、日本酒をいただく。

特別純米酒「冨玲(ふれい)」2009年…

 

え? 2009年?

と驚いた人もいるかもしれない。

4年物の日本酒だ。

この蔵元・梅津酒造では全量純米ファンドの参加蔵元として活動を展開している。

このおさけは、ファンドの現物分配として届いたものだ。

 

こうした純米酒による長期熟成の挑戦は、販売までの無収入期間すなわち在庫回転率の悪さによって単年度の経営指標に大きな影響を及ぼす。

これを回避するため、通常の金融機関からの融資ではなく、ファンドという私募債によってまかなおうとしたものだ。

ボクが参加したファンドは1口5万円。元金の保証はないが、ちゃんと商売が成り立てば普通預金より多い利息がつくし、なによりもこうした現物支給が利息よりもかなり有利な形で支払われる。

「冨玲」については、熟成酒の特徴であるヒネ香が穏やかで、クセのあるアテに合うような味の日本酒だ。おそらく通常の大吟醸や純米酒を飲みつけている人にとってはなじまない味かもしれない。

それだけに、特定のファンにとってはたまらないという希少品となるのだろう。

こうしたニッチなものを継続的に生産するには、既成のプロセスでは成り立たないのがいまの経済市場だったりする。

それを補完するには、昔の講、もしくは無尽のようなシステムだろう。

無尽については、かつて住んでいた地域に残っていて、実際にボクも参加したことがある。小遣い程度の金額だが、1年に1度当たって、それを毎月の参加費で返済するというスタイルだった。要するに割引クーポン債だ。

こうした互助のシステムは、地域に当たり前のように存在していた。地縁が薄れたいま、ネットがそれを補うとしても不思議ではないかもしれない。

小規模の地方酒造は販路などで苦戦を強いられているようだが、ネットによって資金のみならず商売の手伝いもできるとあらば、無駄に飲んでいるわけじゃないといいわけできるぞ、と(笑)。

 

 

投稿者: tori_ichi

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    鳥一富澤商店 » 10/13の晩酌

    (2013年10月14日 - 01:12)

    […] 10/13の晩酌 « 久々にいただいた純米酒の酔い心地に思う酒蔵の未来 Home 10月 14th, 2013 Comments: 0 […]

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